玉島の松涛園さんは、わたしが大好きな和菓子屋さんの一つ。
でも、実は、毎回、松涛園さんへと向かうときはどきどきしてしまう。
商店街の外の駐車場へ車を止めて、松涛園さんまで歩いていくのだけれど、この商店街ときたら、本当に思いっきりさびれているので、毎回、もう松涛園さんが、そこにいないのではないか、というそこはかとない恐怖に襲われてしまうのだ。
昔結構にぎわっていた商店街がさびれてしまっているのは、昔を思い出してしまい、妙に物悲しい。
本当に短い距離なんだけれど、角を曲がって松涛園さんの明かりを見るとほっとして嬉しくなる。ああ、よかった、わたしの妄想だったんだ。
松涛園さんで、上生菓子を買うと、いつも、こんな昔風の包みで包んでくれる。
個別のカップに入れると、高くなるかららしい。
お重を持って行くと、お重につめてくれる。
お客に優しく、環境に優しい。実にエコな姿勢。
ショーケースのすぐそばというか、後ろにもちを入れる時の容れ物(名前ど忘れ)があって、その中から、一つづつ、上生菓子を取り出して、つつんでくれる。
今日は、ちょっとヤボ用というか、まあ思うところあって、いつもはあまりたくさん買わない上生菓子を、ずらずらっと買ってみた。
竜田川
菓銘「竜田川」。川面に浮かぶもみじの紅葉。そんな一瞬を切りとった和菓子。
錦玉羹かと思っていたが、食べてみると意外にも羊羹の食感だった。
上にのせた色あざやかなもみじはこなしか?
下の方は、やや塩気のあるぽろぽろした生地だった。なんとなく、川の水底に沈む小石を連想させるようで、実に趣深い。
羊羹の、みずみずしい川の流れをそのまま再現したような透明感ある色がとても印象的だった。
もみぢ
秋はまた、練りきり製のもみじが登場する季節だ。
微妙なグラデーションが、山々が赤に黄色に紅葉してゆくさまを思わせ、胸がきゅんとなる。
深山路
薯蕷饅頭(たぶん)の「深山路」。まんじゅうの表面に描かれた花は藤の花だろうか。お店の人に聞いてみればよかったな。
乱菊
きんとんの乱菊。
そういえば、昔こどもの頃、父が作っていた菊が、こんな風に、厚みのある豪華な菊だったことをふと思い出した。
いちょう
つぶあんの種を羽二重餅で包んでいる感じ。
包み方でいちょうに見えるんだから、和菓子ってすごい。
姫路菓子博2008金賞受賞!たま最中
本当は、上生菓子だけ、買って帰るつもりだったのだけれど、ふとショーケースの上を見ると、最中が置いてあって、「姫路菓子博2008金賞受賞」と書いてあったので、それも追加してもらった。
それが、たま最中。
包装紙の裏とか。
でんでん太鼓みたいな最中皮の模様だった。
普通に美味しかった。倉敷の和菓子屋さんが金賞を受賞したと聞いて、なお嬉しくなった。
松涛園さんに行く機会があれば、話しのタネに是非「たま最中」食べてみてはいかが?
松涛園さんは、インスタグラムで可愛い和菓子を投稿しているのでチェック!
▶ 和菓子 松涛園|Instagram